N-BOXの初回車検——数値が語る、3年間の使い方

走行12,541kmのN-BOXが入ってきた。初回車検だ。

刻々と点検しながら、私は考える。
この車は、どんな3年間を送ったのか。

タイヤの空気圧、バッテリーのSOH、ブレーキパッドの残量。
数値の一つひとつが、その車の履歴を教えてくれる。

車検の費用

N-BOXの初回車検の総額は、5万〜8万円程度が相場だ。

法定費用(自賞責保険料・自動車重量税・印紙代)で約4万円。これはどこで受けても同じ金額だ。
車検基本料(点検・検査・代行)が1万〜3万円程度。
追加整備が発生した場合に上乗せされる。

今回は走行12,541kmと少なめだったため、追加整備はエンジンオイル+フィルター交換のみで済んだ。

タイヤ・足回りの点検

入庫時の空気圧を測ると、指定値より大幅に不足していた。
前輪176/178kPa、後輪173/173kPa。指定は前240kPa・後230kPaだ。

指定値の7割まで下がっているのは、実はよくあるケースだ。
消耗手のタイヤが安密にすれづつ空気を失っていく。気づかないうちにここまで来る。

適正値に修正し、タイヤローテーションも実施した。
残溝6.1〜6.7mmで充分な残量。偏摩耗なし。良好だった。

ブレーキの点検

ブレーキは安全に直結する最重要項目だ。

フロントパッド残量は左目6.1mm・右目6.7mm。新品時は絀10mm、交換目安は2〜3mmなので充分な残量だ。
リアのドラムブレーキも左目4.1mm・右目3.9mmで使用可能域内。

N-BOXは前軍が重い車なので、フロントパッドの減りが早い偉向がある。
3、4万kmを超えたあたりで交換時期が来ることが多い。

バッテリー診断

専用テスターで数値化した結果。

SOH(健全度):68%。SOC(充電率):98%。
電圧:13.03V。内部抗抗:9.52mΩ。

判定は「良好、現時点で交換不要」。
ただしSOH68%は「中期域」にあたる。冬場の低温時にエンジン始動が厳しくなる可能性が出始めるレベルだ。

今回は経過観察とし、冬を迎える前に再測定をおすすめした。
SOHが50%を下回ったら、早めの交換をおすすめする。

「交換をおすすめします」と言われたときの考え方

車検後に「これの交換をおすすめします」と言われることがある。
すべてが今すぐ必要なわけではない。こう考えると判断しやすい。

今すぐ必要:ブレーキパッド残量2mm以下、タイヤ残溜1.6mm以下、灯火類の不点灯など。保安基準に関わる項目は必ず一緒に対処する。

近いうちに必要:バッテリーSOH50%台、ワイパーの拭きムラ、ベルトのひび割れなど。放置するとトラブルの原因になる。

経過観察でいい:今回のバッテリーSOH68%やワイパーゴムの軽度な宇化のように、次回まで様子を見ても問題ないレベル。

「なぜ必要なのか」を整備士に聞くのは正当な権利だ。
信頼できる工場は、常に丁寧に説明してくれるはずだ。

最後に

N-BOXの初回車検で、強く残った記憶がある。
タイヤの空気圧が、指定値の7割だったこと。

お客さんに伝えると、「全然気にしていなかった」という町えが返ってきた。
それでいい。気にしていないからこそ、私たち整備士がいる。

車検は、踏んだ歴史を読み返す機会だ。
数値の一つひとつが、その車のこれまでを教えてくれる。

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