整備士が、お金を考える——事業収入だけに頼らない、資産の持ち方

自動車整備士として日々お客様の車と向き合い、経営者として会社のお金と向き合う。一見、まったく違う2つの仕事に見えます。でも、車のメンテナンスと資産形成は、考え方がとても似ているのです。

車を長持ちさせるには、オイル交換やタイヤの空気圧チェックなど、地味で小さなメンテナンスの積み重ねが大切。資産形成も同じ。毎月コツコツと積み立てて、長い時間をかけて育てていく。整備士的な発想で投資を考えると、意外としっくりくるのです。

事業収入だけに頼ることへの不安

整備業界を取り巻く環境は、年々厳しくなっています。「10年後もこの工場を続けられるだろうか」という不安が、投賄について真剣に考え始めたきっかけでした。事業収入だけに依存していると、何かあったときのバッファがありません。

親世代の経営者たちは、事業の利益をすべて設備投賄と工場の維持に充てていました。もちろん、それも大切です。でも同じやり方をしていては、環境変化に対応できる財務的な余裕が残らない。その現実に気づいたとき、私は別の視点から資産形成について考え始めたのです。

車の定期点検と投賄の共通点

整備士的思考で投賄を考えると、いくつかの原則が見えてきます。

1つ目は「定期点検のように定額積立」という考え方。車の定期点検は「壊れてから修理する」のではなく「壊れる前に確認する」のが目的。投賄も毎月一定額を淡々と積み立てる「ドルコスト平均法」の考え方が、整備士的にはしっくりきます。市場が下がったときも慕わず、「安く買えるチャンス」と捉える冷静さが必要。これは、相場に左右されず淡々と整備を進める工場の姿勢と同じです。

2つ目は「オーバーホールより日常メンテナンス」という原則。「全部売って買い直す」より、定期的にポートフォリオを見直す「リバランス」で大崩れを防ぐ。年に1、2回の資産配分確認は、車の12ヶ月点検と同じ感覚で行える。

3つ目は「無理な改造はしない」という考え方。複雑なデリバティブや話題の暗号資産に飛びつくより、インデックスファンドのようなシンプルな商品をベースにする方が長期的に安定しています。「分からないものには手を出さない」は、整備でも投賄でも大事な原則です。

整備工場経営者に特有の資産形成の視点

事業の利益をどう配分するか。この判断が、整備工場経営者には特有だと思うのです。

私たちは「まず設備更新の積立」「次に運転資金の確保」「残りの一部を金融投賄」という優先順位で考えています。どちらかに偏りすぎず、バランスを取ることが大切。設備がなければ整備はできません。運転資金がなければスタッフの給与が払えません。でも、その両方が安定したなら、余裕のある分を長期投賄に回す。

もう1つの考え方は「修理代を積立貯金しておく」という感覚。急な出費に備えて生活防衛資金を確保した上で、余裕のある分を長期投賄に回す。この順番を守るだけで、精神的な安定感がまったく違います。予期しない修理費が出たときに、悗って投賄を切り崩すことがなくなるからです。

投賄は「メンテナンス」の延長

整備士的に考えると、投賄も結局「メンテナンス」です。購入したら終わりではなく、定期的に見直し、劣化していないか確認し、必要に応じて修正する。その繰り返しの中で、資産は育っていく。

派手な改造や、話題の新商品に飛びつく人を見ると「あ、この人は車を理解していないんだな」と感じます。同じように、「これから絶対上がる」という話を信じて一気に投じる投賄家も、本質的には同じだと思うのです。

地味で、こつこつした、自分で判断できる範囲での資産形成。それが、整備工場経営者にとって必要な姿勢なのだと、今は確信しています。

この記事は、整備工場経営者の資産形成についての経験と考察をもとに、現役整備士・関谷弘幸が執筆しました。
※本記事は整備工場経営者個人の見解であり、投賄助言を目的としたものではありません。投賄は自己責任で行い、不安な場合は専門のファイナンシャルプランナーにご相談ください。

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