3月に入ると、私の頭の中にあるカレンダーが変わる。
1日に入れられる台数の上限を意識しながら、予約を組み始める。
繁忙期の問題は、台数ではなく、時間の使い方にある。
繁忙期は、予測できる
車検シーズンの繁忙期は毎年同じ時期に来る。
3月・4月・9月・10月は入庫台数が増える。「突然来た」ではなく、「来るとわかっていた」はずだ。
だとすれば、準備できる。
まず私がやることは、繁忙期の予約をできるだけ前後に分散させることだ。
「車検はいつでもいいですよ」というお客さんには、少し早めか遅めの日程を提案する。
1台ずれるだけで、その日の流れが変わる。
先行できる事務は、先行する
車検作業の中には、車が来る前にできることがある。
書類の準備、部品の事前確認、前回の整備履歴の確認。
これを入庫当日にやると、それだけで30分は違う。
繁忙期の30分は、次の1台に影響する。
お客さんから「今年も車検お願いします」と連絡が来た段階で、
前回の記録を引き出しておく。
「前回交換したブレーキパッドはそろそろ見た方がいい」
「エアフィルターは今回かもしれない」
当日の作業がスムーズになる。
段取りが、速さを作る
工具を探す時間、部品庫から部品を出す時間。
これは整備していない時間だ。
繁忙期前に、よく使う部品と工具の置き場所を整理する。
何も特別なことではない。ただ、「決めておく」だけで動きが変わる。
リフトに車を乗せる前に、その日使うと予測される部品を手元に出しておく。
それだけで、整備士の集中が途切れにくくなる。
整備士以外の仕事を、削る
繁忙期に限らず、整備士が整備以外の仕事に時間を取られることがある。
電話の対応、来客の受付、部品の発注確認。
これを整備と並行してやると、どちらも遅くなる。
私の工場では、繁忙期だけでも受付を分離する。
電話は折り返しにする。
「今すぐじゃなくていい」を「後でまとめてやる」に変えるだけで、整備の集中時間が増える。
コンディション管理が、最後まで保つ
繁忙期の終盤に、ミスが出やすくなる。
疲れが蓄積して、確認が甘くなる。
私が意識していることは、休憩を削らないことだ。
「今日は忙しいから昼を飛ばす」は短期的には回転が上がるが、午後の精度が落ちる。
それは、車検の作業では許されない。
繁忙期を乗り越えるのは、台数を増やすことより、精度を保つことだと思っている。
そのための段取りが、5月の工場の状態を決める。
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